一木三銘香(いちぼくさんめいこう)

伽羅(きゃら)のうちでも上品の香木につけた銘で、一つの香木に三つの銘が付けられたことによる。

一木四銘ともいうが、四つのうち一つは後水尾天皇がつけた勅銘なので、これは別扱いにして三銘とした。

「藤袴(蘭)」「白菊」「柴舟」「初音」のうち、「藤袴」が後水尾天皇の名付けたものとするが、「白菊」であるともいう。

その他の三銘は細川三斎、伊達政宗、小堀遠州が名付人としてあげられるが、政宗の「柴舟」を除き、誰がどの銘を付けたかは異説が多い。

例えば「白菊」を細川藤孝と記した説もある。

銘はいずれも古歌によったとされているが、その証歌にも異説が多い。

森鴎外が「興津彌五右衛門の遺書」で準拠した「翁草」の証歌は以下。

  • きく度に珍しければ郭公(ほととぎす)いつも初音の心地こそすれ
  • たぐひありと誰かはいはん末匂ふ秋より後のしら菊の花
  • 世の中の憂きを身につむ柴船やたかぬさきよりこがれ行らん

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